(0-1)アフィリエイトの基礎知識

ストリスは、不正PPCアフィリエイトサイト監視ツールである。しかし、そもそもアフィリエイトの仕組みを知らない人も多いだろう。このページでは、アフィリエイトの基本を説明する。既にアフィリエイトの基本を知っている人は、このページは読まずに次へ行って頂きたい。

「アフィリエイト」は「仲介業」

古来からあった仲介業

アフィリエイトとは、古来からある仲介業をインターネットにあてはめたものである。

モノやサービスを売りたい人と、それらを買いたい人をマッチングする仕事は、古来からあった。

例えば、不動産賃貸仲介業。家を貸したい人と借りたい人をマッチングして手数料をもらう商売は、江戸時代から発生していたそうだ。
参考文献:不動産業界のしくみ

現在の不動産賃貸仲介業では、家を貸したい人(つまり大家さん)が家の情報を不動産屋さんに提供している。そして、家を借りたい人は不動産屋さんに行く。不動産屋さんが大家さんと家を借りたい人をマッチングしているわけである。

上記では不動産を例に取ったが、仲介はあらゆる商売に必要である。モノやサービスを売りたい企業と、それを買いたい人が存在しても、その両者が互いの存在を認識しなければ商売は成立しない。それをマッチングすることには意義がある。それを行って手数料をもらう商売を総称して仲介業という(と私は認識している)。

アフィリエイトは「インターネット上で行う仲介業」

アフィリエイトは、このようなマッチングをインターネット上で行う商売の総称と捉えることができる。

売りたい人と買いたい人のマッチングは、この100年ほどで様々に変化してきた。古い時代のことを私は勉強したことがないが、私としては概ね下記のようなものだろうと認識している。なお、下記文章の情報源の多くは私の主観とWikipediaなので、正確性が必要な場合は別途文献等を参照のこと。

  1. 江戸時代(口伝の時代)
    江戸時代のマッチング手段は、ほとんどが口伝であった。道端で売られている瓦版などに広告は存在したかもしれないが、商売の比率としては大きくなかったと思われる。

  2. 江戸時代末期~明治時代~戦後(印刷・紙の時代)
    1455年にグーテンベルクがヨーロッパで発明した活版印刷が、日本に日本語印刷の技術として取り入れられたのは文久の時代らしい(wikipediaの活版印刷のページ)。この時代から、紙を媒体とした広告が始まった。また、教育制度の整備によって識字率が高まり、人々は販売されているモノやサービスの存在を知ることができるようになった。その結果、マッチングが促進された。

  3. 戦後~インターネット以前(テレビの時代)
    1953年から、日本でもテレビ放映が始まった。テレビの豊富なコンテンツとセットでテレビCMが放送されるようになった。その結果、より多くの人々へモノやサービスの情報を届けることができるようになった。

  4. インターネット以後
    1995年にWindows95が販売され、それを起点にインターネットが普及した。様々なコンテンツが作成され、徐々にブラウザ画面上での広告が貼られるようになった。日本のアフィリエイトに関しては、1999年11月にValueCommerceが、2000年6月にA8.netがサービスを開始した。テレビCMでは潤沢な資金を持つ大企業でないと広告出稿することが難しかったが、インターネット広告では少ない資金で小規模な広告を打つことができるようになり、規模が小さな企業でも顧客とマッチングする手段を持てるようになった。インターネット広告には現在も様々な問題が多数あるが、総体としては社会に良いインパクトを与えていると言っていいだろう。

このように、古来からマッチングビジネスは存在し、その手段は様々に変化してきた。通信技術が発達してインターネットができた結果、今現在の「アフィリエイト」という商売が新たに生まれた。

アフィリエイトの仕組み

アフィリエイトは、広告主が、顧客を求めて広告を依頼する仕組みである。その際、多くの企業はASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に媒介してもらって契約する。ASPはアフィリエイターを多数抱え込んでいる。ASPは、広告主から依頼のあった案件をアフィリエイターに紹介する。

アフィリエイト依頼

アフィリエイターはその中から希望の案件を選んで自分のコンテンツにリンクを貼る。そのリンクから誰かが商品を買ったら、広告主からASPに、成果のあった分だけ事前の契約で取り決めた手数料が支払われる。アフィリエイターは、ASPから手数料を受け取る。手数料の取り分は契約内容に左右されるが、相場観としてはASP3割・アフィリエイター7割である。

アフィリエイトは、冒頭に書いた通り、仲介業の一種と言える。上記のようなお金の流れは、一般的な仲介業では昔からあるものだ。

しかし、アフィリエイトの歴史は20年程度と、非常に浅い。それは、アフィリエイトにはインターネットが欠かせないものだからだ。インターネットによって通信コスト・コミュニケーションコストが圧倒的に下がったことで、アフィリエイトという商売が成り立つようになった。

インターネット以前の世界の低コストな通信手段は、電話である。ASPの立場の人が、電話のみでアフィリエイターを集め、またアフィリエイターが電話のみで顧客に商品を売るというのは難しかっただろう。技術革新により、アフィリエイトが産まれたわけである。

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